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タブリンの窓

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タブリンの木製恐竜骨格模型 制作記録 & 戯れ言 http://taburin.jimdo.com/ taburinあっとkfx.biglobe.ne.jp

その昔、

 その昔、オーロラを見に行った。

 とは言っても、アラスカとかじゃない。
 最初は北極に近い火山の国アイスランドに行って、温泉に入りながらオーロラを見たかった。でも、持ち合わせのお金が無かった。

 フィンランドでもノルウェーでもよかった。
 でも、やっぱり金が無かった。

 それで、仕方がないので車で行くことが出来るスコットランドにした。

 スコットランドといっても、インバーネス(Inverness)を越えて最北端のトン(Tongue)やサーソ(Thurso)の方は、北緯が58度を超える。これは、北海道の最北端宗谷岬の北緯45度より遙かに北で、樺太よりさらに北、ノルウェーのオスロに近い緯度に匹敵する。

 12月末の寒い夜だった。
 
 雪は降っていなかったが、空気はまさに凍り付く寒さで、周囲に民家もない真っ暗な田舎道に止めた車から、ドアを開けて外に出るのさえ気が引けた。

 月明かりもない暗闇の中、何時間か過ぎた。
 
エンジンをかけたままの車の中だけがあたたかい世界。

 近くを通りすぎる車の光も無い。

 思い切って外に出る。


 凍える空気が一気に車内にも吹き込み、体温を奪う。

 意を決して一歩踏み出し、見上げた空には、
 白っぽい光の波が走っていた。

 空の端から端まで、一気に……   またゆっくりと……


 その壮大さに、美しさに、寒さとは違う鳥肌が立った。


 人の小ささを感じた。

 人の感動の大きさを感じた。


 色は白っぽい色だけだったが、紛れもなくオーロラだった。




 また見ることがあるだろうか。
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by carnotaurin | 2010-03-25 00:18 | My Life