ティランノサウルス 腰2
画像は、腸骨を取り付けた後の日干し。
仙椎の部分に腸骨を取り付けたわけだが、微妙な位置の調整と、仙椎←→腸骨の接合部分の調整が必要。
最も悩んだのは、腰の幅をどれだけにするかである。
多くの博物館で展示されてあるティランノサウルスの腰に注目して頂きたい。椎体(鼓のような椎骨の本体部分)よりわずかに幅があるだけで、一見、両側からぺしゃんこに押さえつけられたようにさえ見えるものが多い。 (恐竜が普通に死んだ場合、体は横倒しになる。その上に堆積したもが長年にわたり大きな圧力をかけ、化石化の段階で変形しやすいのだ。)
ティランノサウルスの腰については、幅の広いがっしり型と、狭いきゃしゃ型が認められるらしいが、あんまり広いのは見たことがない。いずれも化石になる段階で潰れたのか、スーでさえ結構細い。
今回は、両腸骨の幅については最前部は100ミリ(corvoさんの図面では±104ミリ)、中央上部で17ミリ(同20ミリ)、最後部は76ミリ(同76ミリ)、大腿骨頭の入る寛骨臼外縁の左右の幅は、62ミリ(同76ミリ)。これでも結構広めではないかとも思える。
しかし、腸骨の最前部は、そのまま胸腹腔を構成する肋骨につながる。だから、自然な肋骨のつながりのためには、最低これくらいの幅が必要になる。
もう一つの画像は、恥骨と座骨(になるはずの一次カットが終わった塊)を左側面から見たところ。
これを削って削って、腸骨に取り付けたら腰の部分が完成する。
いやぁ、なかなかこの辺は調整しながらの作業なので、面倒なところです。