Ouch!
仕事から帰宅。
バス停から自宅までは一つの丘を越えて、さらに長い急な坂をのぼる。
やっと自宅前にたどり着き、ついている灯りを見て、安心する。
ふーふーと乱れた呼吸と太ももにたまった乳酸に、若干の心地よさを感じながら、ポケットをまさぐる。「鍵は…」
手袋として軍手を使っているのだが、その厚手の生地のためにポケットの中の鍵が、ポロッと手から滑り落ちた。
拾おうと、
「えいっ」
とばかりにしゃがんだら、
ガーン!!
玄関脇にある金属製の丈夫な郵便受けのかどっこに、
頭頂部を打ちつけてしまった。思わず、
「Ouch!」
「切れたな…」
その場で頭に触るのは気が引けたので、家に入って洗面所に行って鏡をのぞく。
ふむふむ…切れてるな。流血してる。 縫う必要は…無いだろう。
多少がんがんしたが、洗うとしみそうなので、
オロナインH軟膏を塗った。
これでよし。
しかし、迂闊だった。
あんな無様な自損事故。
運勢は傾いているな。