アイリッシュ
阪急で河原町まで行き、そこから四条通りまで行くと、ホテル・オークラの近くにThe Hill of Tara というレストランがあるのです。
Taraというのは地名ですが、アイルランドの首都ダブリン(タブリンじゃないですよ)からちょっと北に行ったところにある場所です。そして、マーガレット・ミッチェルの「Gone with the Wind 風と共に去りぬ」にも出てくるのもTaraです。主人公はまさにアイリッシュ気質の娘です。
さて、その店は勿論、Guinness beerほかアイリッシュ料理をふるまう店です。店舗はアイルランドから職人を招いて作ったとのことで、日本語が無かったら「ん?アイルランド?」と見まがうばかり(だそうです。だって私は恐竜彫ってたから、それに寒そうだから行かなかったのです)。
娘らはパレードにも参加して、寒い中楽しんだようです。
はっきり言ってアイリッシュ・フードには(他国と比較して)これといったものが無く、好んで食べるものではありません。Guinnessはうまいと思います。
アイリッシュといえば、頑なで意地っ張りで、口論好きで、屁理屈やで…といろいろイメージがありますが、その通りです。
昔からアイルランド人は、イギリス人の迫害を受けて苦しんでいました。みなさんも世界史の教科書に出てきたクロムウェルという人物をご存じでしょう。彼はアイルランドでは悪魔と呼ばれています。宗教的な迫害で、数多くのアイリッシュを殺戮したそうです。 また、これといった産業も無かったため、たくさんのアイリッシュがアメリカに渡りました。(確かタイタニックはリバプールを出航したあとにアイルランドのコークに寄港しています。それから大西洋に向かったのでした。)
アメリカに行ってもイギリス系の人々にはいじめられたようですが、自由の国で彼らが進出したのは、司法・立法・行政方面だったようです。警察官や消防士はアイリッシュが多かったんでしょうね。ケネディー一族ほか、多くの政治家も出ています。
北アイルランドと呼ばれる地域があります。イギリス領です。イギリスの正式名称:The United Kingdom of Great Britain and Northern Irelandの最後の部分です。
歴史的経緯は私が述べるまでもありませんが、陸路アイルランド側から簡単に出入国できます。
…もう何年も前ですが、車で出かけたとき。
国境近くには監視塔が立ち、検問ではカモフラージュした土嚢の向こうから、若いイギリス軍兵士の機関銃がこちらを向いています。 私のAudi Coupeなんかすぐに蜂の巣でしょう。
それを通り過ぎると道路がとたんに良くなります。イギリスの方が経済状態がいいのです。
ベルファースト市内に入ると、そこここに戦闘のあとが残っています。ヘリコプターも上空をしょっちゅう飛んでいます。
町のいたるところの交差点には土嚢と自動小銃にフル装備の兵隊。
デパートの駐車場に入るときには、トランクなどの検査があります。私は爆発物は積んでいないのですが、それでもチェックされます。
市内をパトカーは走っていません。警察も全部装甲車並みで、車の前後左右にはスカートがついていて、爆弾を投げ込まれるのを防いでいます。
そんな街角でも子どもたちが遊んでいます。
アイルランドそのものは、至って平和でのどかです。
是非、John Ford 監督、John Wayne主演の「The Quiet Man」を観て頂きたい。
ベルファーストのケンタッキーで食べたスパイシーチキンは、今まで世界のあちこちで食べたうちで最高の味でした。